IT業界転職で成功する人、失敗する人

転職コラム:IT業界 転職で成功する人、失敗する人 転職に成功するITエンジニアはココが違う 第2回 甘く見てはいけない! ブランク(離職期間)の落とし穴 文・藤田孝弘(シニアコンサルタント)

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「キャリアアップのため転職したいが、現在の仕事が忙しすぎて在職中は転職活動ができない」など、会社を辞めてから転職先を探す方が少なくありません。あるいは離職後、転職活動の前に「いい機会だから資格を取得してキャリアにつなげよう」と考えていらっしゃる方も多いでしょう。

せっかく転職するのだから、十分に時間をかけて取り組みたいという気持ちは分かります。とはいえ、再就職までの期間があまり長くなってしまうと、かえってキャリアアップへの障害となってしまう場合もあるのです。

キャリアに自信があっての転職、なのに決まらない!

ここでは、大手メーカーの社内SEとして、製造現場におけるサーバの運用やヘルプデスクなどを担当してきた佐々木理彦さん(仮名)の例を見てみましょう。

大学卒業後に現在の会社に入社した佐々木さんはキャリア5年目で、現場ではサブリーダーとして派遣社員をマネジメントする立場にあります。

もともと「システムの導入や構築を手掛けるエンジニアになりたい」という技術的な指向が強かった佐々木さんですが、現状でのキャリアチェンジが難しいことから転職を決意して退職。ところが、いくら転職活動を行っても、採用内定を得ることができません。

はじめのうちは数社から返答があり、面接にこぎつけることができましたが、時間が経つにつれて書類審査で落とされるようになり、ついには返答すら来なくなってしまいます。

自分の実力や業務実績に自信を持っていただけに、佐々木さんは次第に焦りを感じるようになってしまいました。


佐々木さんのこの転職。いったい、どのような問題があったのでしょうか?

離職後、2カ月間を無駄にしてしまった…

実は佐々木さんの場合、前職を辞めてから2カ月の間は休養期間として、いっさいの転職活動を行っていませんでした。転職において「働いていない期間」があることは、決してプラスになりません。あまり長いブランクがあると、企業の採用担当者が「業務に対する感覚を失っているのではないか」と警戒してしまうためです。

とりわけ、最新技術を追い続ける必要があるエンジニアにとっては、致命的なリスクだといえるでしょう。実際に離職期間が3カ月を超えると、書類審査だけで落とされるケースが多くなります。

また佐々木さんは、企業の面接官から「2カ月のあいだ何をしていたのですか?」と聞かれたときに、相手が納得する答えを出すことができませんでした(何もしていなかったのですから当然ですね!)。

自分をアピールするうえでもっとも有効な場となる面接。しかし、佐々木さんのケースのように、2カ月間ブランクがあるなど、ちょっとした「隙」を面接官に見せてしまうと、アピールするチャンスを台無しにしてしまう恐れがあるのです。

ちなみに、たとえサーバ管理者としてスキルアップするためORACLE MASTERを取得したい、経営コンサルタントへのキャリアチェンジを目指すため会計士になりたい、などの理由で資格取得の勉強をしていたとしても、企業の採用担当者へきちんと証明することができなければ意味がありません。

「頑張って勉強したが資格は取れなかった」では、遊んでいたのではないかと疑われても仕方がないのです。そもそもIT業界では資格の有無より実務経験を重視する傾向があるため、資格を取ることが必ずしも転職に有利に働くとは限りません。


転職でキャリアダウンという結果に

転職先がなかなか決まらないと、離職期間が長くなり、さらに転職が難しくなるという負のスパイラルに陥ってしまいかねません。こうなると「早く就職しなければ」という不安や焦りから、思わぬ判断ミスを犯してしまうことがあります。

では、佐々木さんの転職活動の続きを見ていきましょう。

転職活動からすでに4カ月が経過したあるとき、諦めかけていた佐々木さんに、以前応募していたベンダーから面接の連絡が入りました。

経済的な事情もあり、渡りに船とばかりに入社を決めた佐々木さんですが、実際に与えられた業務はクライアント企業に常駐してサーバ運用やヘルプデスク業務を行うというもの。

ふたを開けてみれば、以前の会社では派遣社員に外注していた仕事でした。つまり実質的には、転職でキャリアダウンしてしまったことになります。

ここでの問題は、十分な情報収集行わないまま安易に転職してしまったということです。

IT業界では、同じ職種でも企業の規模や業務内容によって求められる役割がまったく異なるため、募集要項だけを見ても実際の職務が分からないことは少なくありません。

それだけにしっかりと情報収集し、自身の目指すキャリアパスと比較検討したうえで、慎重に判断を下す必要があるともいえます。

リーマン・ショック以降において企業が絶対的なものではなくなった中、仕事を続けるうえで唯一頼りになるのは自分自身のキャリアです。そのため、転職にあたっては安易な妥協をせず、常にキャリアの積み上げを意識しておくことが重要なのです。


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